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[18] - 2006/08/08 (14:40)

「house ao」 (ハウスアオ)
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2009第35回東京建築賞奨励賞(東京建築士事務所協会)
2007読者が選ぶ「モダンリビング大賞」大賞(アシェット婦人画報社)
2007第9回「あたたかな住空間デザイン」コンペ 暮らしデザインの部最優秀賞(東京ガス、大阪ガス)
2007第10回TEPCO快適住宅コンテスト住宅分門佳作




南に武甲山が見える。秩父地方を代表する山だ。大規模な石灰岩の採取により、人為的に形が変えられてしまった山肌を横目に見ながら国道を折れる。そこからの道路は急勾配の登り下りのみだ。旧別荘地分譲された街区の、家が疎らになってきた突き当たりに、この住宅は建つ。街中から続いてきた道路はそこで行き止まり、そこから先は濃い緑と渓流の音だけになる。都市と自然の境界上の場所である。この住宅では、目前の大きな自然とここにある生活とが建築を媒介にしてどのように向き合えるかを、繰り返し施主と話し合ってきた。自然には大きく分けて2種類あるのではないだろうか。一方は、敷地北側半分に立つクヌギやカシの木立のように、登ったり、触ったりできる直接体験可能な自然である。他方は、遠くどこまでも続く、直接には改変不可能ないわゆる「景色」としての自然である。本来的には自然とは、自己の延長上にある世界ではなく、それを超えた自らの自由になるはずもない後者のみを指すのだと思うが、それでも手元の実感を込めて捉えられる自然を手掛かりに、遠く直接触れることの叶わない、映像でしかない自然まで、可能な限り感覚を押し広げて繋げていくことが、この場所では必要なのだと思った。そうすることが大きな自然を目の前にした建築の在り方だと思った。
計画としては、敷地北側にある既存の木立に対して軸線をとり、大階段で建物の方向性をつくる。そして建物全体を、各個室が配置されたコンクリートの基壇部と、LDKや和室などが置かれたガラスの上部構造という2層に分けて、中心の大階段上部に大きなヴォイドをつらぬく。目線の低い基壇部は敷地内の身近な自然に向き合い、目線の高い上部の透明なスペースは遠くどこまでも続く自然を俯瞰できるのである。さらに大階段を下にぬけると北側の触れる木立にも一直線に接続する。自然との向き合い方を整理し、建物中心にある大きなヴォイドを介して、外部テラスやブリッジ、大階段で平面的にも断面的にも繋ぎなおす。そうすることで、さらに内部/外部、暖かい/寒い、明るい/暗い、上る/下る等のいろいろな身体感覚を伴った多様な経験として、様々な角度から自然との向き合い方が実感されていくことになる。常に変化を伴いながら持続する時間の中で、身体感覚と建築の複雑な対応関係が作り込めればと思った。そうすることで眼下に拡がる映像としての自然の中にさえも、自分の存在を見つけ出すことすら可能になると思った。(DETAILJAPAN 2006.12月号)

所在地/埼玉県秩父郡横瀬町
主要用途/専用住宅
家族構成/夫婦+子供2人
主体構造・鉄筋コンクリート造 + 鉄骨造
規模 地下1階/地上2階 
敷地面積 360.23m2
建築面積 124.17m2
延床面積 181.12m2 
構造設計/牧野構造計画
施工/アートウェッブハウス
オープンハウス/’06.07.30

[オープンハウス写真]
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