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[185] - 2016/09/01 (20:04)

月の森 三日月堂
埼玉県松伏町無量寿院/公園墓地


最初の入場がつくるその後の礼拝空間

この計画は、真言宗の寺院に隣接した畑だったところに、宗旨宗派に関係なく誰でもが入ることのできる公園のような墓地を整備したものです。施設全体は、合祀のためのお堂を中心に、永代供養墓や合祀墓、樹木葬墓、ペット関連墓など、従来の家族墓に代わる様々な墓域でつくられています。気軽に立ち寄れる憩いの礼拝空間となるように、明るく緑豊かな計画が望まれました。
敷地形状は、南北に長い敷地の奥の半分が東西にずれるかたちで、中央が少し括れたようになっています。奥の半分の真ん中にはコナラの大木があります。全体に通じる回遊通路が取りにくい敷地のかたちであるため、南北に通した直線の歩道と既存境内地側から直交に伸ばした歩道とで墓域を分け、それを軸に大小2つの円形の施設を設け、それぞれの円弧に沿って回遊できるように考えましました。手前の円弧は、約100基分のカロート※を円形の塀で囲んだ樹木葬の墓域です。もう一つの円弧はさらに大きい円形の壁で囲われ、地形の起伏に沿って回遊できる礼拝のための広場としました。円形で囲まれた広場は、その中の一部をさらに円を描く校倉造の壁で仕切ることで、広場に対して三日月型に切り出された側を礼拝堂(三日月堂)としました。ここでは古の伝統工法である校倉造に、憩いの広場空間と亡き人が眠る静かな合祀空間という二つ世界を分ける役目を持たせました。
三日月堂の中は中央に祭壇が祀られています。そこから両サイドへ、銅板張りの局面壁が緩やかなカーブを描きながら伸びていきます。両サイドの端部からは仄かに外光が入り込み、この空間が広場から続く大きな円の内側の一部なのだということが感じられます。

でも来訪者は校倉造の内側には入れません。合祀の空間に入場できるのは、基本的には遺骨を納める最初の法要の時だけです。でもその時に内部空間を体験し、外部と内部の空間の仕組みを理解しておくと、その後はいつ訪れても、同じ円形に囲まれた中での一体感を感じながらお参りすることができます。大きな木組みの壁に向かい合い、手を合わせれば、亡き人へと想いを渡すことも簡単にできるのです。(押尾章治)

※カロート ー 遺骨を納める地中の容器

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