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[186] - 2016/09/22 (16:18)

格子の集合住宅
米沢の「格子の集合住宅」

 この建物は、山形大学米沢キャンパス東側の住宅街区に位置しています。主に山形大学の学生を対象にした21戸の低層集合住宅であり、一年前に竣工した、少し大学寄りに建つ集合住宅に続く2棟目となるものです。どちらも低層の集合住宅であり、通常の、個室ごとの単位に仕切られた水平方向に伸びる集合住宅の外観タイプを変える試みでもありました。
 前回は、半円型に湾曲するコンクリート打ち放し壁の反復で、敷地内の通路空間をつくってみたものです。コンクリートの壁が個人の生活を頑丈に囲いながらも孕みだし、その量塊感や重量感が、共用の通路空間の境界をかたちづくるというものでした。対比的に今回は、水平方向に伸びる集合住宅の建物ボリュームに、軽い木製の格子面を取り付けました。画一的な区画の並ぶ集合住宅の外観を、重量感の希薄な柔らかい質感に変化させることを意図しました。
 敷地はTの字のような形をした細長い土地で、南側と東側で接道しています。建物ボリュームは、敷地に沿って2棟の2階建てが共用玄関でT型に繋がる構成としました。米沢は豪雪地帯ですので、地盤面に落下して嵩張る雪がどうしても問題になります。ここでは一方の棟の1階の床高さを地上より1.5m上げることと、もう片方の棟の下もピロティで雪の溜まる地上から持ち上がる形式をとりました。また、各面格子は建物から60㎝ほど持ち出して取り付けました。これは軒先の雪溜まりへの配慮と同時に、格子面を建物から離して独立させ、より背面の建物ボリュームの存在を希薄にしようと考えたからです。そうして建物全体に渡る三面の大きな格子面が、緩やかなランドスケープの上に浮かびました。その地表面の起伏は、地元で未だに手に入る丸い玉のような川石と枕木、芝生のみで覆いました。


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